今回は、SDGsとは何かカンタンに解説していきます!
SDGsとは?
SDGs(エスディージーズ)は、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月、ニューヨークの国連本部で行われた国連サミットで採択された、国連加盟国193カ国が達成を目指す2016年から2030年までの国際目標です。
世界を見渡せば、貧困、気候変動、人種やジェンダーに起因する差別など、さまざまな課題に直面しています。
こうした地球規模の問題を解決するために、「誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)」という共通理念のもと、SDGsでは17の目標と、それを達成するための169のターゲットを設定しています。
先進国も発展途上国も、行政機関も自治体も、企業もNGO/NPOも教育機関も、そして個人にも共通する、よりよい未来を目指すための全人類の共通目標、それが「SDGs」なのです。
SDGsの前身となった「MDGs」
SDGsのもとになったのが、2000年9月にニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットで採択された、MDGs(Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標)です。
MDGsでは、2015年までの期限で8つの目標と21のターゲットを掲げ、世界の国々と人々はその達成に向けて取り組んできました。
例えば、「極度の貧困と飢餓の撲滅」という目標では、成果を残すことができました。
1990年当時、アフリカやアジアなどの発展途上国の人口の47%が、1日1.25ドル未満(日本円で150円)で生活をしていましたが、14%まで減少させています。
しかし、国内や地域間の経済的な格差や、就職や政治参加における男女間の格差が依然として解消されずにいました。MDGsは大きな成果をあげながらも、その裏で多くの人を取り残してしまいました。
そこで、「誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)」理念のもと、「持続可能な開発目標:SDGs」を掲げました。
SDGsでは、途上国だけでなく、先進国も含めたすべての国々を対象に、豊かさを追求しながら地球環境、人権を守ることに重きが置かれています。また、目標が8から17に増えたことで、包括的で互いに関連した目標になっています。
もうひとつのキーワード「5つのP」
2015年に採択された、SDGsも含まれる「我々の世界を転換する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」には、「P」から始める5つの重要な要素も記されています。
「5つのP」は、SDGsを理解するためのキーワードでもあります。
- People(人間)
すべての人の人権が尊重され、尊厳をもち、平等に、潜在能力を発揮できるようにする。貧困と飢餓を終わらせ、ジェンダー平等を達成し、すべての人に教育、水と衛生、健康的な生活を保障する。
ゴール1、ゴール2、ゴール3、ゴール4、ゴール5、ゴール6
- Prosperity(豊かさ)
すべての人が豊かで充実した生活を送れるようにし、自然と調和する経済、社会、技術の進展を確保する。
ゴール7、ゴール8、ゴール9、ゴール10、ゴール11
- Planet(地球)
責任ある消費と生産、天然資源の持続可能な管理、気候変動への緊急な対応などを通して、地球を破壊から守る。
ゴール12、ゴール13、ゴール14、ゴール15
- Peace(平和)
平和、公正で、恐怖と暴力のない、すべての人が受け入れられ、参加できる包摂的な世界を目指す。
ゴール16
- Partnership(パートナーシップ)
政府、民間セクター、市民社会、国連機関を含む多様な関係者が参加する、グローバルなパートナーシップにより実現を目指す。
ゴール17
持続可能な開発における「3つの要素」
「持続可能な開発」について、国連では「将来の世代のニーズに応える能力を損ねることなく、現在の世代のニーズを満たす開発」と定義しています。
持続可能な開発では、3つの要素の調和が求められています。
- 経済開発:経済活動を通じて富や価値を生み出していくこと
- 社会的包摂:社会的に弱い立場の人も含め、一人ひとりの人権を尊重すること
- 環境保護:環境を守っていくこと
「経済開発」「社会的包摂」「環境保護」の3つを何かを代償にするのではなく、いかに3つを共存させていくかを考えることが重要なのです。
SDGsの「17のゴール」
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困を終わらせる
飢餓を終わらせ、食料の安定確保と栄養状態の改善を実現し、持続可能な農業を促進する
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確実にし、福祉を推進する
すべての人々に、だれもが受けられる公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
ジェンダー平等を達成し、すべての女性・少女のエンパワーメントを行う
すべての人々が水と衛生施設を利用できるようにし、持続可能な水・衛生管理を確実にする
すべての人々が、手頃な価格で信頼性の高い持続可能で現代的なエネルギーを利用できるようにする
すべての人々にとって、持続的でだれも排除しない持続可能な経済成長、完全かつ生産的な雇用、働きがいのある人間らしい仕事を促進する
レジリエントなインフラを構築し、だれもが参画できる持続可能な産業化を促進し、イノベーションを推進する
国内および各国間の不平等を減らす
都市や人間の居住地をだれも排除せず安全かつレジリエントで持続可能にする
持続可能な消費・生産形態を確実にする
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を実施する
持続可能な開発のために、海洋や海洋資源を保全し持続可能な形で利用する
陸の生態系を保護・回復するとともに持続可能な利用を促進し、持続可能な森林管理を行い、砂漠化を食い止め、土地劣化を阻止・回復し、生物多様性の損失を止める
持続可能な開発のための平和でだれもを受け入れる社会を促進し、すべての人々が司法を利用できるようにし、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任がありだれも排除しないしくみを構築する
実施手段を強化し、「持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップ」を活性化する
この17ゴールは、一つひとつの目標がすべてつながった密接不可分な関係です。
ある目標を達成するために別の目標の達成を犠牲にできません。つまり、相互に関連するSDGsの複数ゴールの同時解決をもたらす取り組みを、総合的に考えて行動することが重要なのです。
SDGsの「169のターゲット」
SDGsでは17の目標が掲げられていますが、それぞれの目標には、より具体的な「169のターゲット」が設定されています。
「ゴール1:貧困をなくそう」のターゲットは、「1.1、1.2……」と数字が続くものと、「1. a、1. b……」とアルファベットが続くものがあります。
数字が続く方は「具体的な目標」を、アルファベットが続く方では「実施する手段」を示しています。
例えば、「1.1」では、「1日1.25ドル未満で生活する極度の貧困を終わらせる」と表されています。
「1. a」では、「開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、さまざまな供給源からの相当量の資源を確保する」となっています。
SDGsは、先進国だけが達成すればよいわけでも、途上国だけが恩恵を受けるわけではない、全人類の共通課題です。
行政機関や民間企業だけでなく、僕たち一人ひとりがよりよい未来を作っていく当事者なのです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!
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