ほんのすこしでも人生を良い方向に進めるために|317日目〜323日目|page.47

 

帰国まで残り2ヶ月を切りました。

この国のために、この地域のために、目の前の人のために、なにができたのか分かりません。正直なにもできていません。

 

けれど、ほんのすこしは良い影響を及ぼせたはず。

少なくともヘラヘラした変なムズング(外国人)がいたなと記憶には残っているはず。

 

その記憶が温かいものになるように、残りの時間も全力を尽くしていきます。

酔っ払いは国が産んでいる

毎週、支援先である炭の販売店のジョナスのもとへ訪問しています。

 

なかなか小規模事業者への支援もうまくいかない中、彼のところだけは順調です。

自分の家を改築して、新しいビジネスを始めると言っているほど。炭ビジネスの将来性を考慮しての判断です。そのあたりもとても優秀だなあと思わされます。

 

そして今度は、自分で炭のコーペラティブをつくると言うのです。

これまでは販売だけだったのを、木の栽培から炭の製造まで全てを行いたいそう。すでにメンバーも12人集めたと言っています。

 

炭の販売だと粗利が決まってしまったおり、手元に残る利益はスズメの涙。

製造から販売まで一気通貫で行えれば、利益構造が変わります。さすがジョナス。

 

しかも、コーペラティブは国から認めらた組織になるので、炭の販売をしていても国から環境問題で厳しく言われることがなくなるとか。

 

ところが、一筋縄ではいかないようです。

初めて知って驚いたのですが、コーペラティブを設立するのに、250万ルワンダフラン必要らしいのです。この額を一人で集めようものなら、数十年かかります。

国の機関でお世話になっている身でも、これは高すぎると郡庁に文句を言いたいほどです。

 

この破格の税金を前に嘆くジョナス。

コーペラティブ設立だけでなく、街の環境維持費や警備費も払う義務があるらしく、先日自宅を改築するのにも国に税金を納めたと言い、おかしいだろと声を荒げています。

 

彼の話を聞いていると、泥酔した若いルワンダ人が背後からちょっかいを出してきました。

千鳥足で瓶ビール片手に奇声を発しています。ここでは、この光景をよく目にします。

 

ジョナスいわく、これは国のせいだと言います。

学校を卒業して、ビジネスしようにも税金が高くて始められず、しかたなく耕した畑は上手くいかず、路頭に迷う。そして、アルコール漬けになるのだそう。

国が彼らの人生を壊しているんだと。

 

完全にそうとは言えないものの、確かにその面もあるように思います。

もちろん人生は個人の責任です。でも、環境や構造に問題があることも間違いありません。

 

どこまでが個人の責任で、どこからが国の責任なのかというのは、非常に難しい議題です。

ルワンダに限らず、日本に戻っても向きわないといけないテーマでもあります。

 

今すぐに国や環境を変えれないけれど、個人にできることもあるはず。

そう信じて残り数ヶ月、支援を続けます。

過去一のワークショップ

今週も着実にワークショップを開催しています。

今回は米農家のコーペラティブです。なんと組織の役員を全員招集してくれて、代表はじめ6人で実施できました。

 

ワークショップを開始すると、頭から議論が白熱。

いきなり鋭い指摘を受けます。1問目のテーマが成り立っていないと。

 

もしものときにお金がなかったらどうするか?という問いなのですが、彼らの回答は「どうしようもない」。彼らの意見はごもっとも。

そもそもこのディスカッションは、どうしようもなくなるから貯金をしておこうと煽るのが目的です。

 

むしろ、これまでポンポン家族や友達にもらうという意見が出てきていたのが、おかしかったことに気がつきました。

困ったら誰かに助けてもらえばいい、という考えが根底に強くあるのでしょう。だから、自分自身で未来に備えることが少ないのかもしれません。

 

ふたつ目の議論も、これまでとは違いました。

半分は貯金して、半分はビジネスに投資するという回答。やはり、このグループの議論はレベルが高いです。

その後も、貯金のポイントを伝えるたびに意見が飛び交い、2時間も会話は熱を帯びていました。

 

ほんとうに真剣に取り組んでくれて、とにかくハイレベルでした。

のちにその理由が判明したのですが、彼の団体はこの地域に10ある米農家のコーペラティブの中で、資産やリーダーシップで1番の評価を受けているらしいのです。

くわえて来年には、街中に土地を買って店などを始める計画もありました。すごい。

 

これほど優秀なコーペラティブに、この簡単なワークショップをやってもらったら、質が高くなるのも納得です。

貴重な時間を頂いて、ほんとうに有難い限りです。

 

最後には団体の代表から、このワークショップは我がグループの農家にとっても良いトレーニングになるから、ぜひ広めて欲しいとお墨付きをいただけました。

 

いちおう、もうひとつの米農家の団体で開催したら、支援しているコーペラティブでのワークショップは一通り終了します。

あとは、どこまで広げていくかです。残り2ヶ月、できるかぎり伝えいきたいと思います。

 

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