るわきゃん飯。
それは、ルワンダで作るキャンプご飯。
パスタを茹でることしかできない料理のど素人が、ルワンダで作れる最高に旨いキャンプご飯を作る壮大な旅路である。
【第5回】シンプル野菜がいちばんうまいんじゃ

ピザ窯を発明してから、ここまでピザ、ローストビーフ、スパニッシュオムレツと何を作っても美味しい確変状態。
入念な準備をして、彼らメインディッシュをつくる傍ら、一緒に調理していたものがある。
それが、シンプル野菜。
実は、このじゃがいも、さつまいも、たまねぎといったシンプル野菜が、暗躍していたのだ。
【レシピ】シンプル野菜

【材料】
- さつまいも
- じゃがいも
- バター
- 塩
【作り方】
- 1、さつまいもとじゃがいもは皮をむく。トレーに置く。
- 2、ピザ窯に突っ込み、30分から40分待つ。

- 3、箸がスッと刺されば、完成。
- 4、じゃがいもにはバターと塩、さつまいもにはバターをかけて食べるのがオススメ。
【結論】あなたはもうそのままで完璧だ

サブとして、ただ窯へと放り込んだだけの、ただの野菜。
正直、なにも期待はしていない。
付けわせ程度にはなると甘い気持ちで、口へ運んだ。
これでもかとバターを抱き黄金になったさつまいもが、舌に触れた瞬間だった。
皿ごとルワンダの空にぶち上げそうになった。
人智を超えた旨さに、生命を脅かされると思ったのだろう。
脊髄反射のごとく、脳に情報が届く前に身体だけ反応してしまった。
それほどの桁違いのインパルスが体内を駆け巡った。
もう、ピザ窯でつくるのは、シンプル野菜だけでいい。

じゃがいもに至っては、おまえはいつ油にダイブしたのだと、尋問したくなるレベルにカリカリになっている。
じゃがいもの金色の衣は、「パリッと」と、iPodで永遠にリピートしていたいほどのサウンド奏でる。
衣を優しく脱がすと、あらわになった身は自ら「ほっろほっろ」と艶やかに囁いている。
高鳴る鼓動を抑えつけ、バターと塩をかける。
儚く消えてしまいそうな学生時代の思い出を、すくい上げるように食す。
輝くじゃがいもが、「いつもよく頑張ってるね」と舌を熱く抱擁する。
バターの甘美な香りが鼻へと抜けていく。塩がじゃがいも本来の旨味と甘味を最大限まで引き出す。
そのハーモニーはぼくの手を引いて、幸せの向こう側へと連れていった。
食べ終えた容器から目を離した瞬間、カラスが持ち去っていった。カラスは脇目も振らず、屋根の上で空になった容器をむさぼっている。
ルワンダのカラスも、その残り香にがっつくほどの旨さなのだ。
ピザ窯でいろいろな料理に挑戦してみたが、結局、シンプル野菜がいちばんうまい。
過去ピザ窯で作ったるわきゃん飯のすべてを、裕に超えきた。
シンプルが最強。
ありのままでもう完璧なのだ。ありのままがいちばんなのだ。
果たして、シンプル野菜を超える、るわきゃん飯は現れるのか。乞うご期待。
第6回、ルワンダの夕日になったポトフ。
最後まで読んでいただき、ありがとうがざいます!!
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