ガーデンキブイエ。
それは、夢の農園。
一年前、荒廃した大地を耕し、種を蒔き、水を与えながら未来に想いを馳せた。
こまつな、キャベツ、オクラ、かぶ、にんじん。
来週も一区画掘り起そう。次はネギを植えようかな。いつごろ芽が出るのだろう。
こんなにワクワク胸を踊らさせたのは、高校の席替え以来だった。
週末が楽しみで仕方なかった。それなのに、それなのに……。
コロナウイルスによる強制緊急帰国。
青年海外協力隊の活動自体も動き始めたころだった。でも、そんなことより、畑が気がかりだったのだ。
にんじんをカレーに嫁がせてあげたい。キャベツが大人になるまで見届けないと、死んでも死にきれない。
そして、月日が流れること一年。
天空1500mに位置する夢の楽園、ガーデンキブイエに帰ってきた。
しかし、もう原型はなかった。
豆によって、無造作に占領された楽園。
ぜったいに耕してくれるなよ、という無言なプレッシャー。
オリバーカーンを前にしたような圧倒的な存在感に、ぼくは屈した。
ところが、ルワンダに戻って来て、2ヶ月が経ったいま。
絶対的守護神に陰りが見え始めたのだ。
おそらく、来月中には、楽園の再建ができそうだ。
1年越しのガーデンキブイエ、こんなに嬉しいことはない。
ルワキャンを楽しんでいるいま、自分の農園から収穫した野菜でバーベキューができるなんて。想像しただけで、火が起こせそうだ。
次は、耕し始めました、という報告ができることを祈って。
あとは、とうもろこしという名の、ピータークラウチの大群が残っているのが懸念である。
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