火の「ゆらぎ」は安らいだ気持ちにさせてくれます。
この人間が心地よく感じるゆらぎを「1/fゆらぎ」と言うそうです。
この「1/fゆらぎ」は、自然界の中にほかにも存在しています。
小川のせせらぎ、木の年輪、潮騒、きらめく木漏れ日、小鳥のさえずり。
そこには、規則的なゆらめきの中に、不規則なゆらめきのある「ゆらぎ」があるのです。
自然界に生きる人間にも、例外なく「ゆらぎ」があると思うのです。
大企業に勤め出世レースに参加し、家や車を持ち結婚するために必死に生きる。
しかし、あるとき会社を辞め、企業に頼らず、世間体に囚われず、好きなことで生きる。
しかし、一人で生きていくことの過酷さを痛感し、会社に心の安定だけを求めて生きる。
しかし、理想を捨てきれず、再び会社を辞めようかと悩んで生きる。
人間も、ろうそくの火もゆらいでいる。
右に、左に、ゆらいで、それでも上を向いている。
どんなに大きくゆらめいても、進む方向は変わらない。たえず上へと向かって。
そんな「ゆらぎ」をみると、自分も頑張ろうと思うのです。
ゆらゆら揺れて、いろんな葛藤があって、悩んで苦しんで、諦めてくないけど諦めて、今にも消えてしまそうで。
それでも上へ向かっている姿に、その諦観も含んだ儚げな笑顔に胸を打たれるのです。
コメントを残す