今週の1冊は、山口周著『仕事選びのアートとサイエンス〜不確実な時代の天職探し』です。
山口周さんといえば、多くのビジネス書を出されています。
とくに『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』が有名です。
独自の視点で、データを用いてロジカルに語る山口さんの著書には、いつも唸らされます。
本書は、そんな現代ビジネス書のトップランナーの語る仕事選び論が綴られた一冊です。
一生勤める会社を学生時代に選べるはずがない
仕事が自分に合っているかは事後にしかわからない。
これが本書の山口さんのコアとなる主張です。ぼくもこの意見に強く同意します。
仕事を選ぶタイミングまでの経験を総動員し、選択肢を徹底的に吟味しても、サイコロの目は何がでるかわからないということです。
このタイミングが大学生となると、その精度は低くて当たり前です。
「本当の就職活動は社会に出て5年後にしろ」という意見もよく聞きますが、真っ当だなと思います。
かつ学生時代の就職活動は、ほんとうの意味で自分を内観できていないことが少なくない。
両親の期待、友達や世間の目といった外的な圧力によって、無自覚に選ばされていることに気づかないとなりません。
自分が選ぼうとしている会社が、本当に自分の内なる動機からきているものなのか客観的に分析する必要があります。
そんなことが学生時代にできるでしょうか。
ぼくはできませんでした。
自己分析という名目で、世間の目をインストールするのに必死こいてました。
結果、火を見るよりも明らかです。貴殿の益々のご清祥を祈られること100社。
そんな学生時代に選んだ会社に無理に勤め上げるのは、個人にとっても組織にとっても健全ではありません。
なので、自分に合う仕事なんて働いてみないと分からないと割り切って、就活および転職はもっと気楽に考えていいのです。
仕事は好き×得意で選んではいけない
好きも得意もやってみないとわからない。
結局、試してみないとわからないのです。
周りも褒めてくれるし得意だと思っていたけど、ぜんぜん結果が出ないなんてことはざらにあります。
反対に、苦手だと思っていたけど結果が出まくる、もしかしたら得意なのかもしれないなんてこともあります。
ここから帰結するのは、とにかく行動量を増やして、強みを発揮できる領域を探す。
たくさん試してみるしかありません。
そして、好きさえ見つかれば、得意になるのです。
好きで長期的に続けれれるものが得意にも変わるの必然です。
もちろん、キッカケは好きや得意でしょうが、現時点での好きや得意への幻想は捨てて、たくさん行動することが重要なのです。
いろいろ試す中で、今の自分が発見できていなかった本当の好きと得意が見つかるのです。
いい偶然を大切にする
好きや得意を運んでくるのは、偶然である。
いろいろ手を出してみて「これ好きかも」「これ得意かも」と思える瞬間は、たいてい偶然です。
たとえば、スポーツチームやアイドルとの出会い。
サポーターになるキッカケや推しが決まるキッカケは、偶然から生まれているはずです。
これは仕事でも同じなのです。
ひょんな事から取り組んでみたことが、一生の仕事になるなんてことは少なくありません。
そして、この偶然を呼び込むためにぼくたちにできることは、毎日を丁寧に生きるしかないのです。
誰が、何が、良い偶然を運んできてくれるかわからないのですから。
つまり天職を見つけるのは、偶然であり、日々を真剣に生きた結果なのです。
『仕事選びのアートとサイエンス〜不確実な時代の天職探し』のまとめ
本書は、就活や転職のノウハウ本ではありません。
しかし、仕事選びや仕事そのものへの姿勢を学べる良書です。ぜひ、仕事を探す前の心構えを醸成するのに、一読することをお勧めします!
最後にもう一度、『仕事選びのアートとサイエンス〜不確実な時代の天職探し』が教えてくれたことをまとめます!
- 一生勤める会社を学生時代に選べるはずがない
仕事が自分に合っているかは事後にしかわからないのだから、都度最適化していく大切さを教えてくれました。
- 仕事は好き×得意で選んではいけない
好きと得意への幻想を捨てて、行動量を増やす大切さを教えてくれました。
- いい偶然を大切にする
天職が見つかるは偶然で、その偶然を呼び込むために毎日を丁寧に生きる大切さを教えてくれました。
いかがだったでしょうか。
ぜひ、『仕事選びのアートとサイエンス〜不確実な時代の天職探し』を読んでみてください!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!
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