世界遺産検定のマイスター資格保持者のぼくが、アフリカの世界遺産を紹介します!
今日取り上げるアフリカの国は、ナミビアです!
はじめにナミビアについて、簡単に紹介します。
ナミビアは、アフリカ大陸の南西部に位置し、大西洋に面しています。
世界最古の砂漠と言われ、世界遺産でもあるナミブ砂漠を持つ国です。
国名は、現地の言葉で「なにもない」を意味するナミブ砂漠にちなんでつけられています。
そんなナミビアには、2つの世界遺産があります。文化遺産1つ、自然遺産1つとなっております。
基本情報
- 面積:82.4万平方キロメートル(日本の約2.2倍)
- 人口:244.8万人(2018年、世銀)
- 首都:ウィントフック
- 民族:オバンボ族、カバンゴ族、ダマラ族、へレロ族、白人他
- 言語:英語、アフリカーンス語、ドイツ語、その他部族語
- 宗教:キリスト教、伝統宗教
- 主要産業:牧畜、ダイアモンド、銅、ウラン、亜鉛、あじ、えび、かに
- GDP:約145億米ドル(2018年、世銀)
- 一人当たりGINI:5,250ドル(2018年、世銀)
- 経済成長率:-0.075%(2018年、世銀)
- 通貨:ナミビア・ドル
【世界遺産マイスターが教える】ナミビアの世界遺産全2選【アフリカの世界遺産】
トゥウェイフルフォンテーン
・登録年 2007年
・登録基準(ⅲ)(ⅴ)
トゥウェイフルフォンテーンは、紀元前1000年頃から約二千年間にわたって描かれた、狩猟採集民たちの信仰や生活などを表現した岩絵群です。
ナミビアの北西部に位置する2,000点以上の岩面彫刻と岩絵からなる遺跡で、アフリカ大陸において最も多くの岩石芸術が見られる場所としても知られています。
ゾウやサイ、キリン、ダチョウなどを描いたものが多く、中には人間がライオンの姿に変身するさまを描いた不思議な絵も残されています。
これらは宗教上の儀礼の一環として描いたものと考えられています。
遺跡の近隣一帯では、6箇所の洞窟もあり黄土で描かれた岩絵も見つかっており、ペンダントやビーズといった装飾品も発掘されています。
ところが西暦1000年頃に、岩絵は途絶えてしまいました。
それは、この地に牧畜民が移り住むようになったことが原因だとされています。
彼らの描いた絵は、岩場の続く風土の中で暮らしてきた人々の生活や信仰を知る貴重な手がかりになっているのです。
その点が評価され、2007年にナミビア共和国初の世界遺産として登録されました。
ナミブ砂漠
・登録年 2013年
・登録基準(ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ)
ナミビアの大西洋側に位置するナミブ砂漠は、約8,000万年前に生まれ、現在まで存在している世界最古の砂漠と言われています。
北はアンゴラとの国境付近から南は南アフリカ共和国北端にまで及び、その面積は約50,000km²にも達します。
ナミブ砂漠は、川や海流、風によってアフリカ南部の内陸部から数千kmの距離を運ばれてきた砂塵によって形成されています。
その過程で鉄分が付着し酸化するため、酸化鉄の色によって砂は砂漠は赤く見えるのです。
年間降水量は120mmに満たないのですが、2、3日に一度の割合で海から流れ込む霧がナミブ砂漠にとっての貴重な水源となっています。
こうした独特の環境で、固有種の無脊椎動物や爬虫類などが変化を続け生息しています。
登録基準
- (ⅰ)人類の創造的資質を示す傑作。
- (ⅱ)建築や技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展において、ある期間または世界の文化圏内での重要な価値観の交流を示すもの。
- (ⅲ)現存する、あるいは消滅した文化的伝統または文明の存在に関する独特な証拠を伝えるもの。
- (ⅳ)人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体、もしくは景観の顕著な見本。
- (ⅴ)ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落や土地・海上利用の顕著な見本。または、取り返しのつかない変化の影響により危機にさらされている、人類と環境の交流を示す顕著な見本。
- (ⅵ)顕著な普遍価値を持つ出来事もしくは生きた伝説、または思想、信仰、芸術的・文化的所産と、直接または実質的関連のあるもの。(この基準は、他の基準とあわせて用いられることが望ましい。)
- (ⅶ)ひときわ優れた自然美や美的重要性を持つ、類まれな自然現象や地域。
- (ⅷ)生命の進化の記録や地形形成における重要な地質学的過程、または地形学的・自然地理学的特徴を含む、地球の歴史の主要段階を示す顕著な見本。
- (ⅸ)陸上や淡水域、沿岸、海洋の生態系、また動植物群集の進化、発展において重要な、現在進行中の生態学的・生物学的過程を代表する顕著な見本。
- (ⅹ)絶滅の恐れのある、学術上・保全上顕著な普遍的価値を持つ野生種の生息域を含む、生物多様性の保全のために最も重要かつ代表的な自然生息域。
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