2年におよぶJICA海外協力隊の活動も、もう大詰め。
任期は来年の2月初頭までですが、年内が勝負。ここでどれだけ暴れられるか。
不恰好でも無様でも、かまわない。笑われても叩かれても、かまわない。
隊員人生のグランドフィナーレ突入です。
緊急会議
今週のはじめ。突如、ビジネス振興課のダイレクターに課のメンバー全員が呼び出されます。
集合すると、ダイレクターは今まで見たことないくらい深刻な顔をしているのです。
すこし重い空気で始まった緊急会議。
もちろん、キニアルワンダ語。何を言っているのかは分かりません。
ただ分かるのは真剣な話であり、メンバーも真摯に受け止めているということ。
ミーティングが終わり、会議の内容を英語で説明してもらうと、予想通りでした。
鍵の管理から出勤時間と、仕事への責任感が欠如しているとのお言葉でした。
大雑把にまとめると、「最近たるんでるぞ」とのこと。
とりあえず、明日から毎日定刻である7時に必ず出勤することを求められ、遅刻は許されないと全員念を押されました。
ぼくも改めて身を引き締めないとなと気持ち新たに、翌日はいつもより早く職場に向いました。
ところが、誰もいない。
7時を過ぎても誰も来ない。
あんな深刻な顔で「7時に来い」「ぜったいに遅れるな」と言っていたダイレクターすらいない。
7時半ごろになって、何の気なしにようやくパラパラと出勤し始めました。
昨日の重苦しい会議はなんだったのだ。あの泣き出しそう表情はなんだったんだ。
アフリカでは、30分は誤差の範囲なのだろうか。
けれど、あの神妙な面持ちを思い出すに、この誤差は許されないように思うのはぼくが日本人だからでしょうか。
どうにか開催したいルワマガナフェスティバル
子どもたちのために祭りのようなイベントをしたいという想いを、常に抱いていました。
ただ今日の状況下では厳しいと、半ば諦めてもいました。
ところがここ数ヶ月、新型コロナウイルスの新規感染者はかなり抑えられていて、最近だと50人以下を推移しています。
これまで禁止されていたバーや遊技場なども解禁され、コロナ以前の日々に戻りつつあります。
今しかないと思い、ビジネス振興課のダイレクターに祭りを開催したい旨を伝えると、なんと大絶賛。
むしろ、食い気味にもっと長い期間やろうと言い出すほどです。
また、協力を仰ぐために青少年センターのダイレクターにも話をしてみると、こちらも大絶賛。
しかし、彼に机や椅子を貸してほしいと頼むと状況は一変します。
協力はしたいが彼の責務上、簡単にはイエス言えないそう。
机や椅子も郡の資産であり彼の私物ではないこと、ビジネス振興課のダイレクターからの依頼でないと動けないことと、どれもごもっともです。
さらに、いくつ必要なのか、何時から何時までなのか、どこくらい集客するのかなど事細かに尋ねてきます。
そこまで詳細には決めていなかったので、出直すことに。
あまりの質問ラッシュに面食らったものの、彼が青少年センターの責任者たる所以を垣間見た気がします。
自分の立場に責任を持ち、真剣に向き合ってくれた彼の姿勢には感動すら覚えました。ほんとうに有難い限りです。
とんとん拍子とはいきませんでしたが、ルワマガナフェスティバル開催に向けて確実に前進しました。
ただ、郡を絡めて進めるとなると、市長の承認が必要だったりして、ハードモードに突入しそうです。
時間がないので、自分で進めていきたい。
でも、郡と一緒に作り上げた方が圧倒的にいい。
でも、それで開催まで辿り着けなかったら、元もこうもない。
うーん、難しい。
どちらにせよ、帰国までの3ヶ月でぜったいに実現したいと思います。
最後の大仕事
最後の大仕事が決まりました。
なかなか支援ができていなかったコーペラティブで、ワークショップの開催が出来そうなのです。
この1年間、コーペラティブという組織の性質に苦戦していました。
何か新しいことや抜本的な改革をしようともがくも、上手くハマることはありませんでした。
そこで残りの期間を鑑みて、「教育」に全振りすることに腹を括りました。
これまで支援してきた自転車、お米、大工、溶接工といったコーペラティブそれぞれで、お金や夢、目標に関するワークショップを実施していきます。
そんなわけで、今週はひたすらワークショップの日程を決めるのに奔走。
これが面白いことに次々に決まっていきました。
これまで費やしてきた時間が無駄ではなかった、築き上げた信頼関係のおかげである、そう思いたいものです。
中でも、大工と溶接工のコーペラティブでのワークショップは、100人という大規模なものになりそう。
今月末に行われるこのワークショップが、ルワンダで最初で最後の大仕事になりそうです。
残りの3ヶ月は、もうただ実行を繰り返すのみです。
正直、祭りもワークショップも不安でいっぱいです。けれど、もう止まって考えている暇はありませんし、失敗して落ち込む暇もありません。
もう突っ走るしかありません。
とにかく、考えながら走って、傷つきながらでも走りきるしかありません。
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