【page.15】わたしを養って|93日目〜99日目

 

宝くじで3億円当たったらどうしますか。

瞬間的には幸せを感じても、そのラッキーだけでは人生を変わらない。

大切なのは、善く生きることなのです。

ビジネス振興課のメンバーとコーペラティブへ。

同僚と一緒にコーペラティブ(協働組合)に行くのは、実はこれが初めて。

これまでは、ひとりで突撃して、ルワンダ人に囲まれて現地語の嵐に遭うというパターンの繰り返しでした。

なので、ほんとうに心強い。

 

場所は、ルワマガナ郡庁がある中心部から車で40分ほど行った、「ムユンブ」セクター(日本で言う、市または区)へ遠征。

新しくできたという3つのコーペラティブを訪問しました。

牛乳を集めるコーペラティブ、蜂蜜を作るコーペラティブ、電子機器を修理するコーペラティブの3つです。

 

牛乳を集めるコーペラティブでヒアリング中。

とくに面白いなと思ったのが、牛乳を集めるコーペラティブです。

彼らの構想は、牧場を経営することだそうです。

 

ルワンダで、製造から販売まで一貫して行っている牧場なんて見たことがないので、チャンスがありそう。

まずは、地元客から取り込み、ゆくゆくはテーマパークとしても、観光客も獲得できる可能性を感じます。夢があります。

 

しかし、現状は機械がない。牛もいない。どうしよう、という状態。

 

この類の話は、日常茶飯事。

いろんな団体を訪れては、手伝えることを聞くと、「機械を買ってくれ」「お金をくれ」の二択です。

 

ご多分にもれず、蜂蜜のコーペラティブも、電子機器のコーペラティブも、です。

電子機器のコーペラティブに至っては、オフィスがありませんでした。

 

彼らの仮のオフィスは、木とトタン板。

AppleもGoogleも自宅のガレージから始まったという話が有名ですが、彼らもルワンダを代表する企業になるかもしれません。

 

木とトタン板のオフィス。スタートアップ感があって好きです。

オフィスなんてない。資金なんてない。それでも、仲間を集い、事業を始める。

「挑戦したい」と志を抱いたら、動きだす。この姿勢は勉強になります。

 

準備なんて完璧に整うことはないのです。

準備を理由に足踏みするより、準備はそこそこにとりあえず始めてみる。その方が人間も会社も成長が早い。

そんなことを教えてくれている気がしてなりません。

わたしを養って

これで2000RWF(約200円)以下。毎食このコンビでいい。

イフィリティ(フライドポテト)とブロシェット(ヤギ肉の串焼き)です。

これは、どこで食べても外しません。美味い。

 

食事が出るまでの間、今回一日を共にした、タビタ(女性)と話していると、日本に行って勉強をしたいと言います。

もちろん、大歓迎です。

ところが、彼女は「全ての面倒を見てくれるのか」と言います。

 

つまり、お金です。

 

これまでに何度も、ルワンダの人と、このやりとりがありました。

アジア人はよっぽど大金持ちに見えるのでしょう。

 

実際、家賃は別にして、日本円で1万〜2万円あれば、ルワンダなら不自由なく生活できます。

ルワンダであれば、1人くらいは養うことはできそうですが、日本では厳しいですよね。

日本だと、家賃を除いても、10万〜20万はかかっていましたから。

 

たしかに、ルワンダにおいて、ぼくたちは金銭的に裕福に違いありません。

月に生活費として、約5万円いただいています。なので、日本で、50万円の生活費をもらって暮らしている感覚です。しかも一人で、です。

 

金銭的に余裕しかありませんが、日本にいた頃よりも幸せかと言うとそうではない。

 

家族や友人に会えること。美味しいご飯を食べれること。仕事がもらえること。お風呂に入れること。何重にも鍵を掛けなくても安全なこと。

どれも大金があれば、手に入るものではありません。自分が、その幸せを、有り難さを感じられるか、なのです。

 

お金がたくさんあれば、無条件に幸せになるわけではないことを、つくづく実感します。

幸せを保証するために、最低限のお金は大切です。

とはいえ、必要以上にお金を求めたり、とりあえずお金があれば良いと考えるのは、本質的に人生を豊かにしているとは思えないのです。

 

やりがいや成長を感じられる仕事や良質な人間関係こそ人生に、本物の豊かさをもたらしてくれるのです。

改めて、善く生きようと思える機会になりました。

 

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