2024年。
ぜんぜん本を読めていない。否、読んでいない。
時間がないという外的要因ではなく、読む気がしないという内的要因である。
数年前までは、年間200冊以上読むのが当たり前だった。
しかし、今年は半年で、たった20冊程度である。
なぜ本を読む気がなくなってしまったのだろう。
その原因はなんなのだろう。
「絶望感」だ。
貪り狂って読書していたときは、人生に絶望していた。
就活に失敗し、人生に絶望していたのだ。
(今では心の底から感謝しており、もう一度人生をやり直せるとしても、同じ会社に入る。)
ここで終わってたまるか。早くここを抜け出してやる。
とてつもない飢餓感があった。命の時間を1秒たりとも無駄にしたくなくて、ずっと本を読んでいた。
今はどうだ。
絶望していない。
理念に共感できる会社で、誇りに思える仕事をしている。
サラリーマンという働き方には満足していないが、代償として得られる安定感は大きい。
つまり、幸せである。
客観的に。
状況的には、幸せなのだと思う。
けれど、虚無感に苛まれている。
不満のない生活を手にしてから、人生への情熱を失った。
思い描いている理想の人生はある。
しかし、たとえそれが実現しなくても、現状がそこまで悪くない。
ゆえに、夢に向かう力の源泉が枯渇してしまったのだ。
二十代前半、スティーブ・ジョブズに憧れた。
「Stay hungry, Stay foolish」というあの名言をかっこいいと思った。
今思えば、当時この言葉を本当の意味では理解できていなかった。
今なら、この言葉の意味がわかる。
三十歳になっても、愚かなほど壮大な夢を描き、情熱を持ち続けるのは難しいのだ。
悪い意味で大人になってしまったのだ。
取り戻せ、あの飢餓感を。
取り戻せ、あの馬鹿みたいな夢を。
”Stay hungry, Stay foolish”
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