今週の1冊は、小澤竹俊著『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』です。
もし、人生があと1年で終わりを告げるとした、あなたは何をしたいですか?
本気で「死」を意識した瞬間から、ほんとうの人生が始まるといっても過言ではありません。
死は「生」のスイッチになるのです。
ところが、日常ふつうに生きていて、死を意識する場面は多くありません。
そんなときにこそこの『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』がおすすめ。死を目の前にした患者さんたちのリアルな声を垣間見ることができます。
1年後に死を控えた人たちの言葉に触れ、人生の最終段階の医療に25年間携わってきた小澤先生の気づきに触れることが、自分の人生について考え直すキッカケになるはずです。
これまで3500人を超える患者さんをお見送りしてきた小澤竹俊先生の後悔なく生きるためのメッセージが詰まった一冊です。
誰のどんな人生にも意味がある
死の足音が聞こえてくると、「自分の人生に意味がなかった」と苦しみを抱える方が少なくないそうです。
ところが、丁寧に自分の人生を振り返るうちに、自分なりに頑張ってきたと人生の意味を見出すことができるのだそうです。
まもなくこの世を去ろうとしている人にとって、心の穏やかさを手に入れるために、人生の意味を見つけることは必要不可欠なのです。
それは、いつ来るか分からない死を待つぼくたちにも言えます。
時期こそ分からないものの、死はぼくたちの前に必ず訪れます。そして、それがどんな形でやってくるかは誰にも分かりません。
大抵の場合は、なんの前触れもありません。
だからこそ、いつ終わりを迎えてもいいように、ふだんから自分の人生の意味を考えておくことが大切です。
人生の意味は、使命や人生観、人生の目的とも言い換えることができます。
これさえ持っていれば、常に無数の選択を迫れる人生において、最善の道を選ぶことができるのです。
つまり、後悔のない人生を歩めるということ。
ぜひ、いまこそ問うてみてください。
もし、あと1年しか生きられないとしたら、自分の人生にどんな意味を与えますか?
自分の人生の意味が見つかれば、どんなに苦しいことにも辛いこともにも耐えうるはずです。
今日をめいっぱい生きる
小澤先生の人生最後の日がどのようにやってくるかというお話が、とても印象的でした。
まず、歩ける距離が徐々に短くなり、布団で過ごす時間が長くなります。
次に、食事量が減っていき、昼間でも寝ている時間のほうが長くなっていきます。
そして死が間近に迫ってくると、呼吸が浅くなって回数も減り、意識のない状態が長く続いたのちに、ひっそりと息を引き取ります。
引用元:小澤竹俊(2021年)『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』アスコム
決して意外ではありません。ですが、25年も命の最後に寄り添ってきた人の口から語られる言葉には、胸に迫るものがあります。
人間の最後は静かなんだな。自分の足で好きな所へも行けなくなるのか。布団の中で天井を見つめることしかできなくなるのか。
そして目を開ける元気もなくなりお迎えを待つことしかできないことに、哀しくなりました。
そう思うと、動ける今のうちにたくさん動くしかありません。
たくさん足を動かし、たくさん食べ、たくさん人に会う。まだ眠いと目覚まし時計を消している暇なんてない。だって、死が近づけば好きなだけ眠っていられるのですから。
月並みですが、今日という日をめいっぱい生きる。
これより大切なことはないのです。
誰と生きていくか
胸に突き刺さった言葉があります。
一人称の幸せには限界がある。
ところが、日本の生涯未婚率は上がっています。1990年から2010年で、男女ともに3倍を超える数字になっています。
それ自体が悪いことではありません。むしろ、ひとりで生きていくという選択肢があることは素晴らしいことです。
そして、それはひとりでも幸せを享受できる環境があることを意味します。
ぼく自身、結婚して子供が欲しいと思う反面、最悪ひとりでもいいかなと思うことがあります。
しかし、ひとりでも幸せに生きていけるけれど、そこには限界があるのです。
ひとりでは見るのことのできない景色が、そこにあるのです。
ルワンダで究極の孤独を経験し、ルワンダ人の家族愛を目の当たりにしている身からすると、誰かと共に生きていくことは素敵だなとつくづく思います。
自分じゃない誰かのために自分の命を使いたい、そう思って仕方ありません。
小澤先生は、後悔のない人生だったと思うための4つの条件を挙げています。
1つ目は、自分で自分を否定しないこと。
2つ目は、いくつになっても新しい一歩を踏み出すこと。
3つ目は、家族や大切な人たちに、心からの愛情を示すこと。
4つ目は、今日一日を大切に過ごすこと。
つまり、今日という日を大切な人たちと丁寧に生きる。結局、とてもシンプルなのです。
これが後悔のない人生を送るための最初であり最後なのです。
最後にもう一度、『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』が教えてくれたことをまとめます!
- 誰のどんな人生にも意味がある
人生の意味を問う大切さを教えてくれました。
- 今日をめいっぱい生きる
今この時を全力で生きる大切さを教えてくれました。
- 誰と生きていくか
今日という日を大切な人たちと丁寧に生きる大切さを教えてくれました。
いかがだったでしょうか。
ぜひ、『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』を読んでみてください!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!
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