5月16日
習慣的にランニングを始めて、2カ月。
ランニングとは、生き様だと思う。
始めたばかりのやつが何を言っているのだという感じだが、始めたばかりだからこそ、新しい発見がたくさんあるのかもしれない。
たくさんの通行人がいたら、自慢げにスピードをだす。
他のランナーを見かけたら、無理して追い抜かす。
女性とすれ違うときは、涼しい顔をする。
他者の目を気にしているのだ。
自分の生き様が、ダイレクトにあらわれている。自分そのものすぎて、びっくりしている。
ランニングしている人を見たら、その人の生き様が分かるのだろうか。
僕には、ぜんぜん分からないし、そもそも確かめる気もない。
ただ、自分の走り様は、あんまりにも自分の生き様を写しだしていた。ランニングは、そんなことが分かるのかと、心底おどろいた。
自分のことって、意外と分かっているようで、分かってない。だからこそ、たまに見直しみることも大切だ。
5月18日
先日、ランニングは、生き様だと解釈した。
だとしたら、理想の生き様を、ランニングで表現したい。そうすることで、理想の生き様を浸透させるのだ。
人や環境に左右されない強い人間だ。
ランニングは、生き様と意識して、走った。
どんなにたくさんの人がいても、自分のペースを乱さなかった。
他のランナーに抜かれても、我慢して、自分のペースを守った。
これは成長だ。
女性が前に現れた。
今までのペースを大胆に崩し、カッコつけて走った。
元に戻った。これは、衰退だ。
三歩進んで、二歩下がるとは、よく言ったものだ。
5月19日
今日、ひとつの大きな発見があった。
「ペースを守るとタイムが良い」
当たり前なのかもしれない。陸上についての知識はないので、分からない。でも、タイムが良かった。そして、あんまりキツくなかった。
高校の部活でタイムトライアルがあれば、スタートダッシュが鍵だった記憶があった。ゆえに今日の発見は、今までの常識を覆した。
お正月の箱根駅伝を見るたび、疑問に思っていたことがある。
「余裕がありそうなのに、なんでペースを上げないんだろう」と。
そういうことだったのかと、自分の中で勝手に納得した。
本当のところは、どうなのかは知らない。
ただ、自分のペースを保つのが大切なことは、身に染みてわかった。
人生も同じである。
下り坂でスピードが出せそうでも、ペースを守る。
周りのランナーたちに追い抜かれても、ペースを守る。
上り坂で気持ちがめげそうになっても、ペースを守る。
その方が結果的に、遠くまで早くいけるものだ。
5月22日
今日は、走らなかった。
めんどくさかったからだ。
でも、そんな自分に〇。
そんな自分もいいのだ。
自己肯定感の第一人者で、恩師の先生に教えてもらった。
どんな自分も〇である。
やらなかったで、自分を責めても何もいいことはない。
責めて、自分で自分の自己肯定感を下げて、エネルギーが下がれば、余計やらなくなる。
だから、どんな自分も〇である。
また次、走りたいときに、走ればいいのだ。
5月24日
心の持ちようである。
ジョギングも、散歩ニングも、走るスピード、コース、タイム、疲れ具合も、すべて一緒にである。
しかし、心持ちだけは、違う。
ジョギングは、走る70%、散歩30%。
散歩ニングは、走る30%、散歩70%。
これは、僕の心の中の割合。
「ジョギング」だと思うと、走る意識が7割になってしまう。
ただ、「散歩ニング」してると思うだけで、走る意識は3割まで減る。
心の持ちようである。
そもそも、散歩ニングなんて、言葉はない。さっき、走りながらつくった。心持ちを変えるために。
この心持ちのおかげで、走っている20分間で、この文章が出来上がった。
外出自粛期間も、心の持ちようであった。
「自粛しなければならない」70%、「むしろ進んで部屋こもる」30%。だとこの期間は辛い。
でも、「むしろ進んで部屋こもる」を70%まで引き上げると、なんだか楽しくなってくる。やりたいことが、たくさんできる最高の期間に変わる。
ようは、心の持ちようである。
本当に面白い。心の持ち方を変えるだけで、こんなにも毎日が変わるのだから。
心の持ちようである。
5月25日
人生は、ロードランだ。
マラソンではなく、ロードランだ。
マラソンはよく人生に喩えられけど、違う。
人生は、ロードランだ。
マラソンは、参加者だけが走る平らな道を、駆け抜ける。
ロードランには、上り坂や下り坂がある。
整備さて走りやすい道もあれば、デコボコで走りにくい道もある。
住宅が立ち並ぶ退屈な道もあれば、色とりどりの花が咲く美しい道もある。
犬に吠えられたり、美女に気を取られたりする。
信号に止められない、運も必要だ。
人生に似ている。
急な上り坂を登り切ったとき、気が抜けてペースを落としてしまった。
達成感に浸っている暇はない、昨日の自分に勝つのだ。
つくづく人生に似ていると思った。
人生は、ロードランだ。
5月28日
ランニングは、キツイ。苦しい。
散歩気分で走れば、楽しい。
だが、タイムを狙えば、苦しくなる。
昨日の自分に、先週の自分に、勝つんだ。
昨日よりも、先週よりも、成長していたい。
定期的にランニングをするようになって、2カ月。4キロを、だいたい22分で走る。べつに早くない。でも、少しずつ早くなって来ていることが嬉しい。
タイムを狙うと、ほんとに苦しい。
ひどい顔になる。汗をダラダラと垂らしながら、顔中のしわを寄せて、もう嫌だと言わんばかりの顔。
しかし、こんな時こそ、笑顔をつくる。無理やり笑顔をつくる。口角を上げて、歯を出して、思いっきり笑うのだ。
なんだか楽しくなってくる。苦しさが和らぐのだ。傍から見たら、ヘンタイだ。
完全にヘンタイだ。
身体を大きく揺らして、息を荒げながら、ぎこちない笑顔の男が走ってくるのだ。
だが、これは修行なのだ。
実際、苦しさがまぎれる利点もあるが。
修行なのだ。
人生において、苦しいことや辛いことがあったときに、笑顔でいれるように。
本当に苦しい時に、苦しい顔をしていたら、もっと苦しくなる。
だから、どんなことがあっても、無理やり笑顔をつくるのだ。胸を張って、顔を上げて、口角を引っ張り上げるのだ。
そうすれば、どんな困難も乗り越えられる。その時のための修行なのだ。
ランニングは、笑顔道場。
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