世界遺産検定のマイスター資格保持者のぼくが、アフリカの世界遺産を紹介します!
今日取り上げるアフリカの国は、マラウイです!
はじめにマラウイについて、簡単に紹介します。
マラウイは、アフリカ南東部のアフリカ大地溝帯に位置する内陸国です。国土のほとんどが高原の上にあり、湖が国土の20%を占めています。
アフリカではボツワナと並んで、独立以来対外戦争や内戦も経験していない数少ない国で「アフリカの温かい心」という別称をもっています。
そんなマラウイには、2つの世界遺産があります。文化遺産1つ、自然遺産1つとなっております。
基本情報
- 面積:11.8万平方キロメートル(日本の1/3)
- 人口:1,862万人(2019年、世銀)
- 首都:リロングウェ
- 民族:バンツー系(主要民族はチュワ、トゥンブーカ、ンゴニ、ヤオ)
- 言語:チュワ語、英語(以上公用語)、各民族語
- 宗教:キリスト教(7.5割)、イスラム教、伝統宗教
- 主要産業:たばこ、メイズ、茶、綿花、ナッツ、コーヒー、繊維、石けん、製靴、砂糖、ビール、マッチ、セメント
- GDP:76.67億米ドル(2019年、世銀)
- 一人当たりGINI:380米ドル(2019年、世銀)
- 経済成長率:4.4%(2019年、世銀)
- 通貨:マラウイ・クワチャ
【世界遺産マイスターが教える】マラウイの世界遺産全2選【アフリカの世界遺産】
チョンゴニの岩絵地域
・登録年 2006年
・登録基準(ⅲ)(ⅵ)
チョンゴニの岩絵地域は、マラウイ中央部の高原地帯に位置した先住民の岩絵が密集する地域です。127箇所にわたって現存しています。
岩絵は、初期の狩人が描かれた絵画と、それ以降の農業的な主題の岩絵に分かれています。
前者は、新石器時代にこの地域に住んでいた狩猟採集民のトゥワ族が描いたものと考えられており、赤い色が使われた幾何学的な図柄でした。
そして後者を描いたのが、1世紀頃から入ってきた農耕民族チェワ族で、白い色で写実的な絵を描き始めたとされています。
マラウイ湖国立公園
・登録年 1984年
・登録基準(ⅶ)(ⅸ)(ⅹ)
マラウイ湖は、マラウイの国土の4分の1を占め、タンザニアとモザンビークにまたがっている大きな湖です。
ですが、世界遺産であるマラウイ湖国立公園は、マラウイ領内の湖の南端にあたるごく一部となっており、湖に浮かぶ12の島々を含めて構成されています。
マラウイ湖には、500〜1,000種の魚類が生息すると言われています。固有種も多彩で、「湖のガラパゴス諸島」の異名を持つほどです。
とくにシクリッド科の魚の数は世界的にも類を見ない多さで、生命の進化を解明する上で重要な研究材料とされています。
また、このマラウイ湖国立公園が、淡水湖として登録された初めての世界遺産でした。
登録基準
- (ⅰ)人類の創造的資質を示す傑作。
- (ⅱ)建築や技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展において、ある期間または世界の文化圏内での重要な価値観の交流を示すもの。
- (ⅲ)現存する、あるいは消滅した文化的伝統または文明の存在に関する独特な証拠を伝えるもの。
- (ⅳ)人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体、もしくは景観の顕著な見本。
- (ⅴ)ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落や土地・海上利用の顕著な見本。または、取り返しのつかない変化の影響により危機にさらされている、人類と環境の交流を示す顕著な見本。
- (ⅵ)顕著な普遍価値を持つ出来事もしくは生きた伝説、または思想、信仰、芸術的・文化的所産と、直接または実質的関連のあるもの。(この基準は、他の基準とあわせて用いられることが望ましい。)
- (ⅶ)ひときわ優れた自然美や美的重要性を持つ、類まれな自然現象や地域。
- (ⅷ)生命の進化の記録や地形形成における重要な地質学的過程、または地形学的・自然地理学的特徴を含む、地球の歴史の主要段階を示す顕著な見本。
- (ⅸ)陸上や淡水域、沿岸、海洋の生態系、また動植物群集の進化、発展において重要な、現在進行中の生態学的・生物学的過程を代表する顕著な見本。
- (ⅹ)絶滅の恐れのある、学術上・保全上顕著な普遍的価値を持つ野生種の生息域を含む、生物多様性の保全のために最も重要かつ代表的な自然生息域。
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