【今週の1冊】信念に生きるーネルソンマンデラの行動哲学|リチャード・ステンゲル

 

今週の1冊は、リチャード・ステンゲル著『信念に生きるーネルソンマンデラの行動哲学です。

 

ネルソンマンデラといえば、南アフリカでアパルトヘイトの撤廃に尽力し、ノーベル平和賞を受賞したことで有名です。

 

今でも世界中から尊敬を集め、とくにアフリカで圧倒的な支持があるネルソンマンデラの哲学に触れることのできる一冊です。

 

ルワンダ人の友人が唐突に尋ねてきました。

「ブラザー、南アフリカには行かないのか?」。

 

なぜ南アフリカなのかを尋ね返すと、「ネルソンマンデラが大好きなんだ。彼らは、おれたちのヒーローだ」と彼は目を輝かせるのです。

 

南アフリカだけでなく、アフリカのすべて国の人たちにとって偉大な存在だったとは知りませんでした。

ルワンダ人からも熱狂的に愛されるマンデラが気になり、手に取ったのが本書でした。

 

過去ではなく未来を見よ

「過去は許し忘れ、未来に向かおう」。

27年間の過酷な獄中生活を経て、マンデラが伝えたかったメッセージです。

 

ネルソンマンデラの生涯は、平坦なものではありませんでした。

 

南アフリカでは、アパルトヘイトという白人と黒人を隔離する非人道的な政策が取られていました。

レストラン、ホテル、バス、公園、公衆トイレといった公共の場での隔離をはじめ、選挙権や土地所有権もなく、白人と黒人の恋愛すら罪に問われました。

 

そんな差別を受け続けてきたマンデラは、反アパルトヘイト運動に身を投じ、国家反逆罪で終身刑となります。

 

これほど理不尽に虐げられてきたにも関わらず、マンデラは常に未来を見ていました。

過去は忘れよう、過去は許そうと。

 

この寛大な生き様は、いまを生きるぼくたちにも多くの示唆を与えてくれます。

 

上司に不当に扱われた。仕事で失敗した。好きな子に振られた。テストの点数が悪かった。あんなこと言わなきゃ良かった。

 

平和な時代に、物質的に豊かな国で生きるぼくたちに起こることなんて、虐げられてきた南アフリカの人々と比べたら、取るに足りません。

 

過去に執着していては、進歩はありません。

歴史は繰り返されるのです。負の歴史を終わらせるためには、未来を見つめ、いま何ができるかを考えるほかありません。

良い面を探す

人や物事の良い面を見ることに努め、建設的な学びを得る。

このマンデラの姿勢には、感嘆のため息しかでません。

 

とても印象的なエピソードがあります。マンデラが収容されていたロベン島での出来事です。

 

マンデラのことを敵視していた受刑者がいました。その男はマンデラに対する不満をリストに書いてまとめていました。

それを知ったマンデラは、こう語ったそうです。

 

「私は彼から物事に熱心に取り組む姿勢を学んだ」と。皮肉ではなく、本心からです。

どこまで大きい男なんだと尊敬せずにはいられません。

 

ロベン島での獄中生活は、もちろん甘いものではありませんでした。

受刑者への暴力は日常茶飯事で、動物と同等の扱い受けていたと言います。

 

そんな中、マンデラは残忍な看守たちからも、学びを得ていたのです。「彼らも被害者なのだ」と。

 

「人は偏見や人種差別の意識を持って生まれてくるわけではない。生まれながらに邪悪さを持っている人間はいない。アパルトヘイトという状況が人間を邪悪にしたのだ」

 

物事は多面的である。人物もまた多面的である。

ぼくたちが目にするすべてのことは、ひとつの側面でしかありません。

 

自分の視点からは悪に見えても、相手の視点から見ると善である。

世の中は、そんなことで溢れかえっています。

 

だからこそ、ぼくたちは物事や人物の良い面を見る努力をし、そこから教訓を学び取る必要があるのです。

そのことをマンデラは、示してくれています。

どんな環境でも出来ることが必ずある

どんな状況でも希望を捨てるな。その環境で出来ることをしろ。

マンデラの姿を見ていると、弱音を吐いてる場合じゃないよな、まだまだ出来ることがあると、尻を叩かれます。

 

投獄されたマンデラは、南アフリカの白人が使っていたアフリカーンス語を学び始めます。

さらに、南アフリカにおける白人たちの歴史の勉強も始めたのです。

 

それは、彼らに取り入れようとしたわけでなく、白人も含めて南アフリカをひとつにするためだったのです。

 

不条理な社会を正そうとして投獄されようもんなら、一層敵対心を燃やしそうなものです。

 

ただ、マンデラは違いました。

やはり未来を見て、今できることに努めたのです。

 

南アフリカをひとつにするという志を実現するため、どんな状況になろうと、希望を捨てませんでした。どんな環境になろうと、自分にできることがあるのを知っていました。

 

えてして、ぼくたちは環境のせいにしてしまう。

新型コロナウイルスの流行も、そのひとつでしょう。

 

環境や人のせいにしていても、事態は好転しません。

どんなに身動きの取れない状況でも、必ず何できることがあります。

思考停止してはならないのです。

 

マンデラは「南アフリカをひとつに」という志も持ち、立ち止まることはありませんでした。

志の前では、過去への執着も、ちっぽけなプライドも、悪態をついてくる相手も、厳しい環境も、かすんで見えなくなるのです。

 

再び分断されつつある世界において、ネルソンマンデラの哲学が必要とされています。

 

最後にもう一度、『信念に生きるーネルソンマンデラの行動哲学』が教えてくれたことをまとめます!

 

  • 過去ではなく未来を見よ

過去に執着するのではなく、許す。そして、未来を見て、これから出来ることに集中する大切さを教えてくれました。

  • 良い面を探せ

物事や人物は多面的である。良い面をみることに努め、建設的な学びを得る大切さを教えてくれました。

  • どんな環境でも出来ることが必ずある

どんな状況に追い込まれても、必ず出来ることがある。思考停止せず、前に進み続ける大切さを教えてくれました。

 

いかがだったでしょうか。

ぜひ、『信念に生きるーネルソンマンデラの行動哲学』を読んでみてください!!

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!

シェアしていただけると嬉しいです!

 

シェアしていただけると嬉しいです!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です