駅弁の存在意義

 

駅弁は美味しい。

 

けれども、正直レストランで食べた方が美味しい。当たり前のことを書いて、大変恐縮ではあるが。なんなら価格も駅弁よりも安い。

 

でも、僕は新幹線に乗るとき、駅弁を買う。なぜか買いたくなる響きを持っているからだ。

 

観光地のキーホルダー、ホテルの自販機で売ってるおかき、付録付きの雑誌……。

どれも不用であるし、代替品のが圧倒的に質が高かったりする。

 

けれど、買ってしまうし、買うに値する価値がある。

買いたいと舞い上がってしまった己の高揚感を満たすには充分だからだ。

 

そんな無駄があるから世界は色づくのだろう。

それに余白のない世界はあまりにも生きづらい。

 

そのちょっとのワクワクを買うために、今日も駅弁をほおばる。

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