マーケティング隊員としてやってきたルワンダで、新しい販売促進の方法を学びました。
それは、レジで店長が自店の商品を食べるという手法。
地域でいちばん大きいアリメンテーション(ルワンダのコンビニ)でのことでした。
会計を済ませるためにレジに行くと、そこに座っている店長が「サモサを取ってくれ」と店員に頼むのです。
会計を待つ客を前に、そのサモサを頬張る。その時の顔が幸せそのもの。スマホで「幸せ」とググろうもんなら、この店長の笑顔が出てくるでしょう。
こんなに美味しそうにサモサを食べる人間を見たことがない。
「サモサが好きなのか?」と尋ねると、「大好きだ」と満面の笑み。こんなものを見せつけられて、買わないでいられる訳がありません。
これは素晴らしい販売促進の形だと思うのです。
試食を出すより、買ってもらえる可能性がある。
目の前で実際に食べた人間の表情や言葉を見れば、嘘か本当かわかります。
それに、消費者は自分の想像でしか、味を体験できません。試食した味を確かめるより、脳内で再現した味の方が美味しくなってしまうのです
SNSの登場で、より嘘に敏感になった我々にとって、目の前で実食してリアルな表情や言葉を届けること以上の販売促進があるでしょうか。
消費者も店長自らが旨い旨いと言って、仕事中に食べてしまうほどのものを買いたいはずです。
お客様の前で食事をしてはいけない、座っていてはいけないといった常識のある日本では考えられない方法ではあります。
とはいえ、日本に逆輸入したいものです。
美味しいものを食べて幸せを噛み締める、食レポ店員という新しい職業も生まれて良いことづくめだし。
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