ルワンダでは、なぜそうなった? と首を傾げたくなることがよくあります。
それのひとつが、炭の販売店で働くエジデくんの話。
毎朝、通勤するときに通る道に、炭の専門店がありました。
後で知ったのでしが、その店はぼくが支援している炭の専門店のオーナーの自宅兼支店だったのです。
そして、この支店の従業員として雇われているのが、エジデくん。
店の前を通ると、必ず店から出てきてくれます。
エジデくんの笑顔がほんとうにチャーミングで、優しさが滲み出てるのです。
そんな彼の笑顔に元気をもらって、仕事へと行っていました。
いつも通り、仕事へいくために郡庁に向っていました。
ところが、店も閉められている。もちろん、エジデくんもいない。
今日は珍しく休みかと思って、数メートル進むと、こちらに全力で手を振るエジデくん。
なぜ今日は別の場所にいるのか聞いてみました。
すると、彼は自分で店を始めたというのです。
しかも、商品は炭。これまで働いてた炭の店から、目と鼻の先の場所で。
驚いて、炭の専門店のオーナーに尋ねてみると、エジデは病気になって地元に帰るから辞めたんだと言うのです。
地元になんか帰っておらず、店を開いてたことを伝え、オーナーもびっくり。
後日、オーナーと一緒と支店の方に行くと、急いで隠れるエジデくん。
オーナーと顔を合わせるのが、とてつもなく気まずいのだろう。
そりゃ、合わせる顔がないよ。
エジデよ。
なぜ、ぜったいにバレる嘘をついた。
同じ街でもいつかバレるのに、雇主の家の目と鼻の先で商売を始めるなんて……。
しかも、よりよって商品は炭って……。
炭の専門店のオーナーの自宅兼支店は、支店といえどエジデくんが始めた店の10倍以上の大きさ。どう考えてもエジデくんに勝ち目がない。
けれど、彼の自分の店を持ちたいというロマンは分かるし、その真っ直ぐ姿をぼくは応援しています。
なにより、毎朝キュート八重歯を見せて、全力でおはようと言ってくれる彼のことが大好きだった。
だからこそ、こんなことになって欲しくなかったのです。
炭屋のオーナーはすぐに次の従業員を見つけて、支店の営業を再開しました。
それから2、3週間して、エジデくんの姿を見ることはなくなったのです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!
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