今週の1冊は、自己啓発小説の名手。喜多川泰さんの代表作のひとつ。『君に会えたから』です。
人生の岐路に立たされている人に読んでほしい一冊。
自己啓発本を読んでみたいけど、何から読めばいいの分からないという方にも、おすすめです。
簡単に、あらすじを紹介しておきます。
将来に対する漠とした不安を抱えながらも、自分のやるべきこともやりたいことも見つけられずに何もせず、無気力に過ごしていた平凡な高校生の僕のもとに、ある夏の日、美しい女の子がやってきた。そして、彼女から、その後の僕の人生を変える教えを聞くことになる。いつしか彼女に恋心を募らせていた彼の前に次第に明らかになっていく彼女の秘密とは
喜多川さんの創り出す世界観は温かいのが特徴です。
物語を読んでいるだけで、癒されていきます。心が疲れたときに、読みたい本が多いのが喜多川さんです。
ぼくは大学を卒業するまで、本=小説だと思っていました。
絵がある漫画の方がいいと、いっさい本を読んできませんでした。
ところが、就活で大きな挫折をし、その時に「本」と出会い人生が変わったのです。
そこで初めて、本が小説だけじゃないことを知りました。
親も先生も誰も、教えてくれない人生にとって本当に大切なことを、学べることに衝撃を受けたのを今でも覚えたいます。
きっと、喜多川さんの『君と会えたから』が、あなたにとって、人生を変えるキッカケの一冊になるはずです。
今日という日を精いっぱい生きる
本書は、次の一節から始まります。
「今日を生きているという素晴らしさに感謝し、今日一日を精いっぱい生きることの大切さを教えてくれた彼らに捧ぐ」
今日を生きていることの奇跡を、どれだけ理解できているだろうか。
この戦争のない平和な時代に、この日本という豊かな国で生まれ、今日を生きられる奇跡を。
明日も、来週も、来月も、来年も、10年後も、当たり前のように、続いていくと思ってないだろうか。
永遠に生きられるかのように、今日という奇跡の日を過ごしてないだろうか。
かつてのぼくはそうでした。
ヒマだからと言って、丸一日ゲームをして潰していました。
将来のために勉強しようと思い立っても、来週からでいいかと先延ばしにしていました。
好きな子をデートに誘うにも、来月にしようと逃げ続けていました。
そうやって今日のぼくは、未来のぼくに期待だけして無責任に押し付けていました。
結果、後悔するのです。
もっと勉強していればよかった、想いを伝えていればよかったと。
そして、行く末を憂うのです。過去と未来にだけ囚われて生きていました。
ところが、ぼくたちにできることは一つしかありません。
それは、過去を悔いることでも、未来を憂うことでもありません。
今を、今日という日を、精いっぱい生きるしかないのです。
ぼくは、そんな大切なことに気づくのに、二十年以上かかりました。
もし、もっと早く『君に会えたから』に出会えていたら、命を浪費せずに済んだと思うのです。
与える人間になろう
『君に会えたから』は、ヨウスケとハルカのふたりの高校生が、夏休みに交流を深めていく形で進んでいきます。
将来に不安を抱き無為に日々を過ごしているヨウスケに、ハルカが人生で大切なことを教えていきます。
その中のひとつに「GIVEのリスト」という教えがあります。やりたいことリストとを作るのと同時に、ギブのリストのことも教えられるのです。
死ぬまでやりたいことリストをつくろうという話はよく聞くと思います。
ただ、ギブのリストを作ろうというのは、初耳でした。
与えたら与えた分だけ返ってくる、まずは与えることに徹しようと、ギブすることの大切さは理解しているつもりでした。
ところが、自身のやりたいことリストを見てみると、テイクしかないことに気づきます。
こんな、人からもらうことしか考えてない人間に成功は遠いなと、深く反省しました。
また、人間、自分のために頑張ることには限界があります。ですが、誰かのためなら、限界を超えることだってできます。
どんなに苦しくても、あの人の笑顔がみたいとき、もう一踏ん張りできるものです。
サッカー選手になる夢も、かつて夢を見させてくれたスーパースターように、自分も子どもたちに夢や希望を与えたい。
そのためにサッカー選手になるんだと思うと、力が湧いてくるはずです。
ただでさえ、ぼくたちはたくさんのギブで、つくらています。
両親、先生や友人といった多くの人には、返しきれないほどの恩があります。
毎日おいしいご飯が食べれること、温かい布団で安心して休めること、こうしてスマートフォンを使えること、ギブされているものを数えだすとキリがありません。
気づきていないだけで、ほんとうにたくさん受け取っているのです。
次は自分たちが、ギブする番だと思うのです。
後悔しない人生を送るのに、もちろん、やりたいことリストは大切です。
そして、返しきれないほどの恩をすこしでも返すため、ギブのリストが重要なのです。
夢を持ち続け行動し続ける
物語は大人になったヨウスケが、個展を開いている場面から始まります。
誰もが想い描くような成功を収め幸せな人生を送っているシーンから、そのキッカケとなった高校時代へ話は遡ります。
そこでハルカと出会い、人生が変わったのです。
しかし、ここで伝えたいのは、何かしらの大きな出会いや出来事があれば、人生は変わるということではありません。
それは、ひとつのキッカケにすぎません。
その機運を生かすかどうかは、それからの自分次第ということです。
人生は、キッカケひとつで変わるファンタジーではありません。
ただ、キッカケひとつで変えることができる、極めて泥臭い物語ではあります。
未来の夢を描き続け、どれだけ今日という日を積み上げられたか。
結果が出ず苦しいことも、周りと比較して焦ることもあります。それでも、あきらめずに強烈に夢を描き続け、地道に毎日努力を続けられるか、なのです。
この物語では、大人なって成功したヨウスケと、まだ何者でもなかった高校生のヨウスケしかでてきません。
成功するまでの20年は描かれていませんが、このギャップにどれだけの泥臭い努力があったかは、容易に想像ができます。
夢を持ち続け、行動し続けることが、どれだけ大変か。
そして、手に入れたい未来があるなら、そのことがどれだけ大切か。
ひしひしと伝わってくるのです。
最後にもう一度、『君に会えたから』が教えてくれたことをまとめます!
- 今日という日を精いっぱい生きる
今日という日を生きている奇跡に感謝し、今を精いっぱい生きる大切さを教えてくれました。
- 与える人間になる
やりたいことがテイクだけになっていないか。誰のためにやるのか。ギブする大切さを改めて教えてくれました。
- 夢を持ち続け行動し続ける
強烈に夢を想い描き、決してあきらめずに毎日を積み上げていく大切さを教えてくれました。
いかがだったでしょうか。
ぜひ、喜多川泰さんの『君に会えたから』を読んでみてください!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!
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