トイレで悶える未来が待っていようと食べたいピザ

 

行きつけのレストランがいくつかある。

その一つが、仲むつまじい美男美女カップルが営むレストラン「ビクーレストラン」。彼氏のクロードがシェフで、彼女のナディンがそのアシスタントを務める。

 

10分と言って1時間待たせるルワンダにおいて、彼らのレストランは注文してからすぐ出てくる。そんなルワンダのマクドナルドで、事件が起きた。

 

ロックダウンが終わり再開したレストランに行くと、クロードしかいない。

クロードにナディンの所在を尋ねると、苦虫を噛み潰した顔で「どっかに行った」とそれだけ言い残して厨房へ。

 

以降、いつ足を運んでもナディンはいなかった。

あの苦々しい表情は別れたという意味だったのか。2人ともほんとうにいい人で、大好きだっただけに悲しい。

出会いがあれば別れもあるのが世の定め、仕方ない。

 

しかし、ひとつ不思議なことがある。

 

ナディン以外にいた他の2人の女性従業員もいなくなっている。

代わりに新しい従業員が2人働いていた。ルワンダでは別れると縁起が悪く、従業員を総入れ替えしないといけない文化でもあるのだろうか。

 

もしくは、あまり想像したくないが、公ではナディンと付き合ってるとして、他の2人の女性にも手を出していたのかもしれない。

あの優しいクロードに限ってありえない。だが、それならメンバー総取っ替えの説明がつく。

 

ナディンを愛していたが、他の女性から言い寄られたイケメンで優しいクロードは断れなかったのかもしれない。

たとえ、ルワンダ人女性全員から反感を買ったとしても、ぼくは君の作るピザとフライドポテトを愛しているよ。

 

それに、そのクロードの店で食事をして2回もお腹を壊しているのに通い続けるという異常な変態性を見せる外国人より、従業員全員と寝てしまったという方がまだ正常である。だから大丈夫だ、クロード。

 

何が言いたかったかと言うと、真夜中のトイレで悶える未来を迎えに行ってしまうほどに、クロードのピザが絶品なのだ。

 

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